犬に卵を与えても大丈夫ですか?という質問をよく目にします。
実際犬にとって卵はどうなんでしょうか?
生でもいいのか?茹でたり炒めたりした方が良いのでしょうか?
いろいろと気になったので、徹底的に調べてみました。

犬に卵を食べさせていいの?

生で与えるのは黄身は良いが白身は不可、加熱した卵なら黄身白身関係なくたまに与える分には可能です。
卵は良い面も悪い面もありますので、ほどほどに与えるのが無難なようです。

良い面を見てみると、高たんぱく低カロリーのため、
太りにくいということが挙げられますし、タンパク質は血や筋肉を
作るのに必要ですし、エネルギーにもなります。
手作りごはんを作っているのであれば、少量欲しい食材です。

悪い面でいえば、長期にわたり毎日のように食べさせ続けると、
腎機能や肝機能が低下する恐れがあります。

卵

生卵はなぜ与えないほうが良いのか?

生卵は与えないように!と言われていますが、
これは、生卵の白身の部分には「アビジン」という塩基性糖タンパク質が含まれています。
この成分はビオチンと呼ばれるビタミン(ビタミンHやビタミンB7とも呼ばれる)の
吸収を阻害する働きを持っています。
長期にわたって阻害され続けると、ビオチン不足となり
毛が抜けやすくなったり免疫力が低下したりといったような健康に害が出て来る可能性があります。
長期でなくても一度に多量に摂取するとビタミンバランスが崩れて
下痢をする可能性があります。

生卵の白身は与えてはいけないことがわかりましたが、
生卵の黄身は与えてもよいのでしょうか?
調べてみると特には問題はないようです。
ただし、サルモネラ菌など食中毒の関係で加熱して与えた方が安全という意見もあります。

生の白みを食べてしまった場合は?

万が一落とした卵などの盗み食いで白身を食べた場合、
毎日ではありませんので、それほど心配する必要はないでしょう。
ただし、犬によっては稀にですが下痢をする可能性はあります。

黄身の部分にはビオチンが豊富に含まれていますので、
一緒に食べた場合は、白身だけを食べた場合と比べて
生でも影響は少なくなるようです。

どのようにして与えたらいいの?

生卵は極力与えない方が良いということがわかりました。
では、どのようにして食べさせた方が良いかというと、
ゆで卵などのように加熱して食べさせると良いでしょう。

生の白味にはアビジンが含まれており、ビオチン(ビタミンB7)の吸収を
阻害すると言われていますが、加熱することによりアビジンは失活しますので、
阻害するということはなくなります。

基本的に加熱すれば問題ないので、ゆで卵、卵焼き、目玉焼きなど
何でも構いません。ですが、味付けに塩を入れるなどは控えてください。

スポンサーリンク

与えるときの注意点は?

まず生で与えないことです。与えたとしても白身は取り除いて
黄身だけにしてください。

生の白身は消化に悪いといわれていますが、加熱しすぎる(固めにする)と
生の時以上に消化に悪くなるようです。とはいえ犬は動物性タンパク質の消化が得意なので
あまり気にする必要はないかもしれませんが、できれば黄身が半熟程度に加熱して
与えると良いようです。半熟の場合ですと白身部分の消化が良いだけでなく
黄身部分の栄養素を損ないにくいというメリットがあります。

初めて食べさせるときは注意してください。まれに卵に対してアレルギーを持っている犬がいます。
その場合、体をかゆがったり、目が充血したり、顔などが腫れたり、湿疹、じんましん、
嘔吐、下痢、元気がなくなるなどの症状が出る場合があります。
初めて食べさせるときは、極少量与えてみて変化がないか様子を見るようにしましょう。
また、毎日与えるということは控えてください。
毎日与え続けると、卵はコレステロールも多く含みますので、脂肪肝や高脂血症のリスクを高めてしまいます。

犬が幼い場合、消化器が発達しておらず卵を与えると下痢をする可能性がありますので、
控えたほうが無難でしょう。

どれくらいの量与えたらいいの?

普段の食事がドッグフードの場合、栄養バランスはドッグフードで賄われますので、
卵を与える量は、ご褒美や食事に軽くトッピングするなどの少量程度でたまに与える程度が良いでしょう。

手作りごはんの場合も、アレルギーになりやすい食品ということからやはり少量が良いといわれています。
どれくらいの量かというと、個体の大きさや体調、食事の内容によっても異なってくるため一概には言えません。
犬の1日の蛋白質の摂取量は体重10kgの犬の場合タンパク質28g必要といわれていますので、肉類などとうまく調節していく必要があります。

まとめ

卵は黄身は生のままでも特に問題ありませんが、
白身は加熱して与えたほうが良いということがわかりました。
ただし、卵はコレステロールも高いということと、
アレルギーになりやすい食品ということを考慮すると
毎日のように与えるのではなくたまに少量与えるのが好ましいでしょう。
また、ごはんを食べなくなったり元気がないようなときの栄養補給に良いと
言われていますので、うまく卵と付き合っていけたら良いかと思います。

生の白身を1回程度与えたところで、アレルギーを除いてせいぜい下痢をする程度なので、
特に大きな問題とはなりませんが、健康にはよくないようなので、注意してくださいね。