犬がエビを欲しがってるけど与えてもいいのかな?あるいはエビを勝手に食べてしまった・・・。
などの疑問や不安があるかと思います。そこで、犬にとってエビは与えてもいいのか?また与えるとしたらどれくらいの量与えてもいいのか?など犬とエビについて徹底的に調べてみました。
目次
エビを与えてもいいの?
結論から言うと生で多量に与えたり、殻付きの状態で与えなければ、
加熱したものであれば、摂取してはいけない成分などは含まれていませんので与えすぎには注意が必要ですが基本的に問題はないとされています。(生は良くない)
ただし、絶対に与えなければいけないというものではありませんので、与えることのリスクを考えると
与えなくてよいのなら与えない方が良いかもしれません。
生のエビはなぜ注意が必要?
猫に生のイカを食べさせると腰を抜かすという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
イカなどに含まれる酵素であるチアミナーゼ(サイアミナーゼ)はビタミンB1を破壊するため、長期にわたって摂取した場合、背骨の変形を引き起こすなどし、寿命も短縮される。
引用:wikipediaーネコーネコにとって危険な物質ーイカ、タコ、エビ、カニ、貝等の一部の魚介類
これは、生のイカに含まれるチアミナーゼという酵素がビタミンB1を破壊するために、
ビタミンB1欠乏症に陥り手足のしびれや背骨の変形などを引き起こします。
これが腰を抜かしたように見えることから、このように言われるようになったのですが、犬にも同じことが起こります。
そして、チアミナーゼは生のエビにも含まれているため、
多量に摂取した場合に手足のしびれなどの症状が現れることがあり、長期にわたって摂取し続けると、
腰が抜けたような状態を引き起こされるため注意が必要とされています。
チアミナーゼは熱によって失活するため、加熱すれば問題はありません。
参考:「健康食品」の安全性・有効性情報ービタミンについての解説[全15件]ービタミンB1解説
また、多量に食べた場合や長期にわたり食べさせ続けた場合のことですので、少量勝手に食べてしまった程度なら量により下痢やおう吐はあるかもしれませんが、上記のような重大なことにはならないため心配はいらないでしょう。
たくさん与えるとどんな影響があるの?
では加熱したエビを多量に与えるとどんな影響が現れるのでしょうか?
加熱するため、チアミナーゼのビタミンB1分解の心配はなくなりますが、エビはイカや貝などと同様、犬にとって消化に悪いものです。
多量に食べさせた場合、消化不良を起こして軟便・下痢やおう吐をする、食欲が低下するなどの可能性があります。
もし下痢が続いたり嘔吐が続く、食欲がない状態が数日など長く続くような場合は、動物病院で診てもらった方が良いでしょう。
アレルギーには注意
多量に食べさせると消化不良になるということでしたが、もう一つ注意しなければいけないのは、
アレルギーです。人間はエビアレルギーというものがありますが、これは犬にとっても同じことで、
犬によってはエビにアレルギー症状を起こす仔もいます。
アレルギー症状としては、湿疹や発赤、かゆみ(特に口周りや耳下、足先などに出やすい)などの皮膚症状をはじめ、抜け毛や下痢、嘔吐、
食欲不振、目の充血、口内のかゆみなどの症状が出ることもありますので注意が必要でしょう。
また、幼犬の場合に食物アレルギーが出やすいとされていますので、幼犬の場合は特に注意が必要でしょう。
詳しくはこちらを参照してください。
初めて食べさせる場合は何にアレルギーを持っているのかわからないため、一度にたくさん与えるのではなく、ごく微量与えて様子を見るようにしましょう。
適切な量はどれくらい?
適切な量というものは犬種などで個体の大きさも違いますし、これくらいというものが定められていませんので一概には言うことはできませんが、
与えるとした場合、消化に悪いということもありますのでご褒美に少し、食事のトッピングに少し程度にとどめておいた方が良いでしょう。
また、食べるたびに下痢をしたり嘔吐をするような場合は、その犬に合っていない可能性がありますので、与えるのを控えた方が良いでしょう。
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与える際の注意点は?
与える際の注意点はいくつかありますので、下記に記します。
[check_list image=”check1-r”]
- 生で与えない
- 殻がついたままのエビを与えない(尻尾もそのままの状態では与えない)
- たくさん与えない
- 身は細かく切ったりすり潰してから与えるようにする
- 味付けされたものは与えない
[/check_list]
ということが挙げられます。
生で与えることは、上記で説明した通りビタミンB1を破壊してしまいますので、少量程度では特に問題になることはないでしょうが、多量に与えたり長期的に連続して与えるようなことはNGです。
殻がついていると消化がさらに悪くなるのと、可能性として低いかとは思いますが殻が口内や食道、胃腸などを傷つける恐れがありますので心配だという方は与えない方が無難でしょう。エビのしっぽに関しても同様の考えで良いかと思います。
たくさん与えることも消化不良で下痢やおう吐を招きますので与えすぎないようにすることと、
個体や量、その人の考え方にもよりますが少しでも消化を良くするために、できれば身は細かく刻んだり、すり潰したものを与えるようにしましょう。
味付けされているものは、塩分の過剰摂取につながりますので、味付けされていない状態のものを与えた方が良いでしょう。
もし殻やしっぽを与える場合ですが、消化に悪いため、すり鉢などで粉末状にすり潰したものを与えるようにします。
特に桜エビなどは殻をとることはできませんので、粉末状にしてふりかけにして与える方が好ましいです。
エビを与えるメリットは?
えびのデメリットを書いてきましたが、栄養面においてメリットもいくつかありますので紹介しておきます。
エビを与えることでメリットとなりそうな成分としては、「タウリン」「キチンキトサン」が挙げられます。
犬は遺伝的な要因やシスチン尿症タウリンを体内で合成することができるので、そこまで気にする必要はないかと思われますが、仮に欠乏してしまうと、白内障などの目の疾患、心疾患のリスクが高まるとされています。
参考:What is Taurine Deficiency?-Vetary
エビにはサザエや牡蠣のように豊富にタウリンが含まれているわけではありませんが、多く含まれている傾向にあるため、少量与えることで補助として役立つかと思います。
タウリン量参考資料:タウリン及び飼料添加物として使用されるタウリンの食品健康影響評価について 2008年6月|食品安全委員会
次に、キチンキトサンですがこれは殻に含まれている成分で、
効果としては犬と猫の栄養成分辞典によると免疫力が高まる、皮膚の健康を守るというような効果が期待できるようです。
ですので、皮膚に何かしらの症状が出ている場合や健康目的の場合、粉末にしたものを与えても良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?えびは犬にとって与えてはいけないような成分は含まれていませんが、
生で与えるとチアミナーゼの影響でトラブルを招く恐れがあるだけでなく、加熱したものでも消化に良くないものなので、
与えすぎには注意すること。またアレルギーの原因になる可能性もあるので、無理に与える必要はないといったところです。
ただし、わずかながら与えることのメリットもあるようですので、上記に注意を払ったうえで与えるというのもありなのかもしれません。